代表のだいは、小規模(所員数:数名)、中規模(所員数:数十名)、大規模(所員数:数百名)の特許事務所に所属してきました。そこで、数回に渡って規模毎の特許事務所の雰囲気について書いてみようと思います。特許事務所への転職を検討している方や、同業者で転職を検討している方の参考になればと思います。
今回は大手特許事務所の雰囲気です。
代表のだいは、総勢300名の大手特許事務所に所属していました。大手特許事務所の場合、仕事は細分化されていることがほとんどです。特許事務所によっては国内案件と外国案件とで切り分けられていることもあるようです。だいの所属していた特許事務所では、流石に国内案件と外国案件での切り分けはありませんでしたが、大きく分けると、バイオ、化学材料、電気機械、意匠、商標、図面、調査にグループが分けられていました。だいは化学材料グループに所属していましたが、化学材料グループの中でも分野によって更に5つのチームに細分化されていました。
大手特許事務所の場合、特許を担当していて意匠や商標を経験できるチャンスはないでしょう。クライアントから意匠や商標の相談を受けても、意匠グループや商標グループへその仕事は回ることになります。また、例えば化学分野を担当していて、機械や電気の仕事を経験できることもあまりないでしょう。このように、大手特許事務所の場合、ある技術分野の専門性を高めたい方にとっては良いかもしれません。
ただし、大手特許事務所の場合、指導体制はあまり期待できないかもしれません。これは指導者に依るところは大きいですが、一般的に大手特許事務所では大量の案件を捌くことが要求され、明細書の品質をそれ程重視していない傾向があるためです。そのため、初心者の方で明細書スキルを高めたい方は、大手特許事務所よりも小規模又は中規模の特許事務所をお薦めします。
逆に言うと、大手特許事務所では大量の仕事があるため、仕事に困ることはないです。成果主義の事務所であれば若くして高い年収を得ることも可能です。
また、大手特許事務所では、一般的に外内の案件が多いです。外国のクライアントからしたら大手特許事務所の方が信頼できるでしょうし、大手特許事務所は外国代理人との繋がりが強いためです。外内の案件では当然ながら英語の読み書き、場合によっては英会話のスキルが必須ですので、英語のスキルを高めたい方には大手特許事務所はお薦めです。外内案件は、国内案件よりも単価が高いですので、売り上げも上げやすいです。そのため、高年収も期待できるでしょう。
いかがでしたでしょうか?
特許事務所への転職を検討している方などのご参考になれば幸いです。